クエと聞くと、磯の大物釣りを思い浮かべる方が多いと思います。太い竿に大型両軸リール、ワイヤー仕掛け。とても手が出ない世界に見えますよね。
ところが近年、温暖化の影響なのか、小型のクエが堤防でよく釣れるようになりました。このサイズを手持ちのライトタックルで狙うのが「ライトクエ釣り」です。
私はショアジギングロッドのMHクラスで、3〜5kgクラスのクエを何本も上げています。専用タックルを買い揃えなくても、十分に成立する釣りです。
この記事では、タックル・仕掛け・餌・場所・釣り方まで、堤防のライトクエ釣りを一通り解説します。
堤防では夜にクエが狙える
まず前提として、堤防で釣れるクエは磯の大型とは別物と考えてください。
磯では20kg、30kgといった大型のクエを狙いますが、堤防で釣れるクエは大きくても5kg程度が限度。
そのため磯釣りで使うようなヘビータックルは必要ありません。この前提をもって必要なタックルをそろえていくことになります。
堤防からクエが釣れる時期
堤防のクエは年中狙うことが可能ですが、シーズンは5月〜11月(水温が高くなる時期)と考えてよいでしょう。
クエは水温上昇とともに浅場へ入ってくるため、初夏から釣果が期待できます。逆に冬は深場に落ちてしまうため釣りにくくなります。
最盛期はクエが餌とするアジやイカなどのベイトが多い9~11月くらいです。
タックル:本格的な磯釣りタックルは不要
ロッドはショアジギングロッドが最適
ロッドは9〜10ftのMHクラスのショアジギングロッドが扱いやすく、ほかの釣りにも流用できていいと思います。
堤防は手前に荒い根があったり、海面まで距離があるわけではないので磯で使うような4~5mの長い竿は必要ありません。短い竿の方が魚に対して主導権を握りやすいため短めで硬い竿のほうがライトクエには適しています。
もっと短い硬めの船竿や、硬めのシーバスロッドでも問題ありません。
リールは4000〜6000番
ショアジギングロッドMHの場合は、リールは4000〜6000番で、PE3号以上を巻いておけばOKです。エントリークラスでも十分に釣れます。
メインラインは竿の適合範囲に合わせて選んでください。太いラインを使っても根ズレしたらどちらにせよ切れますし、逆に根ズレがなければPE1号程度でも獲ることはできます。
竿に対してラインが太いと、負荷がラインではなく竿に集中して折れたり、リールが飛ぶ可能性があります。もし竿のスペック以上のラインを巻くなら、必ずドラグが出るようにしておいてください。
仕掛け
仕掛けの構成は上から順にこうなります。
- PEライン(3号〜)
- リーダー(フロロ10〜12号を3mほど)
- パイプ天秤(オモリ15~30号)
- スイベル
- ハリス(フロロ12号 or ワイヤー)
- 針
※下で一つ一つ解説していきますが、オーナーから出ているライトクエ釣り専用セット仕掛けがありますので、最初はこれを購入してみるのもアリだと思います。
リーダー
PEの先にリーダーを3m程度つけます。PE3号ならフロロカーボン10号が目安です。※基本はPE号数×3=リーダーの号数と思えばOKです。
根が荒い場所を狙うときは、リーダーの先に瀬ずれワイヤーを付けます。
天秤とオモリ
リーダーの先にはパイプ天秤やスネーク天秤をつけ、スイベルを介してハリスに繋ぎます。
天秤につけるオモリは竿の硬さに合わせて選びます。軽すぎるとラインを張れなくなるので、20号程度を目安にしつつ、竿のスペックと相談してください。
捨て糸
根が荒い場所では捨て糸が有効です。リーダーやハリスより細い5〜6号程度にしておくと、根がかりしてもオモリだけを失う形で切れてくれます。
※上記で紹介したオーナーのライトクエは、捨て糸が20号もあってライトクエには強すぎるので細いラインに交換して使ってください。
ハリスは根の荒さで決める
PE3号の場合、基本は同じ引張強度のフロロカーボンの10号程度をベースにしてもいいですし、根ズレが心配ならもっと太くて大丈夫です。フロロで切られる場合はワイヤーを使いましょう。
ただし磯の釣りと違い、堤防では太仕掛けはなじみにくいという問題があります。できるだけ軽めに組んだほうが釣果はでるように感じます。
ちなみに、クエ釣りでクエの歯によってラインが切られることは基本的にありません。サワラやタチウオのような鋭い歯ではないからです。ラインが切られるとすれば、それは歯ではなく根ズレです。
自分が行くポイントの根の荒さを見て、最適な太さを見つけてください。
針はクエ針を使わない
ライトクエ釣りでは磯で使うようなクエ針は使いません。
理由は2つあります。クエ針は太軸すぎてルアーロッドでは貫通させにくいこと。そして針自体の重さが魚に違和感を与えることです。
オーナーのライトクエは細軸の大型針であるトーナメントムツが使われているので、ルアーロッドでもフッキングが決まります。
これ以外の針なら大型の細軸設計の「南方強者」がおすすめです。
餌が小さいときは「サザンバトル」を使ってもいいと思います。
餌
餌はアジ、サバ、イワシなどの魚をまるごと使用します。
サビキで釣ったものをそのまま泳がせることもできますし、これらの魚はスーパーでも調達しやすいのが利点です。
タコやイカも優秀な餌になります。イイダコや小型のイカが手に入ればベストです。
夜釣りに必要な道具
穂先ライトは必須
クエは夜釣りがメインになるので、穂先に明かりをつけるのは必須です。
ケミホタルでも構いませんが、一度使うと再利用できません。長く続ける予定であればハピソンの穂先ライトなど、電池式のものを選びましょう。電池はひとつで数回分の釣行が可能です。
色は魚に影響を与えにくい赤を選ぶのが無難です。
ピトン・竿置き
置き竿で待つ釣りなので、竿置きはあったほうがいいです。ピトンで固定するのが確実ですが、堤防でのピトン使用を禁止している場所もあるので注意してください。
投げ竿用の三脚で代用する場合は、竿が飛んでいかないようにロープを付けておきましょう。クエの引きは三脚ごと持っていく力があります。
場所選び
クエは外洋に面した堤防でよく釣れます。
ただし意外と湾奥まで入ってくることもありますし、内湾の堤防に居ついているケースもあります。外洋だけに絞る必要はありません。
好ポイントの条件は次のとおりです。
- 大きな捨て石が入っている
- テトラが入っている
- 日中にベイトが確認できる
身を隠せる障害物があるかどうかが第一で、そこに餌となる小魚がいれば期待できます。昼のうちに下見をしておくと判断しやすくなります。
時間と潮汐
いちばん実績があるのは夕マズメから22時くらいまでです。深夜はアタリが途絶えることが多くなってまた朝マズメ前後に活性が上がります。
そして夕マズメに上げ潮が重なると期待大です。この条件が揃う日を狙って釣行を組むのが効率的です。
釣り方
投げて待つ
基本は、魚がいそうな場所に餌を付けて投げるだけです。
投げたら糸を張ってアタリが分かるようにしておきます。ここを緩めると、せっかくのアタリを見逃します。
アタリが出ない場合は投入地点を変えていきます。逆にエサ取りのアタリが出たら、その場所でクエが来るまで待ってみるのが有効です。小魚が集まっている=何かがある場所だからです。
エサ取りがいる場合は、餌が残っているか定期的に確認してください。
アワセと取り込み
本命のアタリがあったら、ラインが強く引っ張られるのを待ちます。基本は向こうアワセで針が掛かるので、その後に竿で追い合わせを入れます。
やり取りして上がってきたら、水面で空気を吸わせてからタモで掬います。
ドラグは出していい
クエ釣りにはゴリ巻きのイメージがあり、確かに磯釣りではドラグを出さない設定にすることが多いです。
しかしライトクエはタックルを流用している前提です。竿の適合範囲を超える太いラインでフルドラグにすると、魚が止まる前にタックルが壊れます。
無理をせず、ドラグを出しながらファイトしてください。堤防は手前に根がないので、多少走らせても取り込めます。
よくある疑問
撒き餌はするべき?
ライトクエの場合、撒き餌は効果的なことがあります。
ただし磯釣りのようにイワシをまるごと何匹も撒くのは撒き餌過剰です。それだけでお腹いっぱいになってしまって、本命の餌の食いが悪くなってしまいますので、撒き餌は魚を細かく切ったものを、様子を見ながら少しずつ撒きましょう。
死に餌でも釣れる?
問題なく釣れます。むしろ磯でも活き餌を使うことは珍しいくらいです。
釣具屋で売っている大きなサバでも釣れることは釣れますが、ライトクエ釣りには少々餌が大きすぎます。冷凍のマイワシやアジがおすすめです。
小アジが釣れるなら泳がせてもOKです。
まとめ
堤防のライトクエ釣りは、専用タックルがなくても始められます。
- ロッドは9〜10ftのショアジギングロッド。手持ちの船竿やシーバスロッドでも可
- リールは4000〜6000番、PE3号から
- 針はクエ針ではなく細軸の大型針を使う
- 餌はアジ・サバ・イワシをまるごと。死に餌でOK
- 狙いは夕マズメ〜22時、上げ潮が重なれば期待大
- ドラグは出す。タックルを守るのが最優先
まずは手持ちのタックルに、針と天秤と穂先ライトを足すところから始めてみてください。堤防で高級魚が上がる瞬間は、一度味わうと抜けられなくなりますよ。
